善管注意義務 (ぜんかんちゅういぎむ)
賃借人が、賃借物件を使用するにあたって、自己の財産に対するのと同一の注意では足りず、善良な管理者の注意をもって使用する義務を負う(民法400条)。
善良なる管理者の注意義務とは、管理者の職業や社会的・経済的地位に応じて、取引上一般的に要求される程度の注意のことをいいます。
一般の注意義務では、「軽過失」の場合、過失責任を負いません。
例えば、無報酬で物の保管を引き受けた者は、その物の保管について「自己の財産におけると同一の注意をなす義務」(第659条)、親権者は子の財産を管理するにあたっても、「自己のためにすると同一の注意をなす義務」(第827条)を負います。
注意義務の程度が「善管注意義務」に比べて軽減されているということです。
したがって、善管注意義務は、相当しっかり注意して保管物を扱わなければならない義務だということであり、賃借人に重い注意義務を課しています。
控訴・上告(こうそ・じょうこく)
日本における裁判は、三審制をとっており、第1審の裁判所の判決に不服があれば、一つ上の上級裁判所にもう一度審議してもらうことができます。この2回目の裁判を求める事を「控訴」と言います。
第1審が簡易裁判所の場合、控訴は地方裁判所に、第1審が地方裁判所の場合、控訴は高等裁判所にします。
その2回目の控訴審の判決に不服があれば、一つ上の上級裁判所にもう一度審議してもらうことができます。
この3回目の裁判を求める事を「上告」と言います。
民事の控訴審では、新たな証拠を提出しない限り、第1審の証拠に基づいて判断されますので、第1審の判決と異なる判決がなされることは、ほとんどありません。
実際問題、控訴審では和解の話合いの場となることが多いようです。
ハウスクリーニング(はうすくりーにんぐ)
賃貸マンションの契約によくある明渡時の「クリーニング代」ですが、残置物があった場合のその処分費用と清掃費用のことです。 ゴミや不用品を借主が処理し、通常の清掃を自分ですれば、「クリーニング代」を負担する義務はないとする判例が多くあります。
契約自由の原則(けいやくじゆうのげんそく)
法律で特にダメと定めていない事柄に関しては、契約内容を自由に定めることができるという考え方で、日本では、この原則が認められています。
特約(とくやく)
契約自由の原則に従い、売買契約やマンション賃貸借契約には、多くの特約を定めることが一般的に行われています。
例えば、解約するときの違約金の定めや、建物の使用目的を居住用に限るとするなど。
消費者契約法(しょうひしゃけいやくほう)
消費者保護のために、平成12年5月に制定された法律。
消費者に一方的に不当・不利益な部分は無効であると定め、「契約自由の原則」を制限しています。
この法律ができるまでは、抽象的な表現の民法の規定(詐欺・錯誤など)によっていましたが、具体的な証明が困難でした。
この法律は、相当具体的な表現で「この場合は取消できる。この場合は無効だ。」と、定めていますので、適用しやすく、消費者に有利な法律です。
敷金(しききん)
保証金と同じ意味で、借家契約の家賃未払いの保証という意味と、契約終了時の家主からの損害賠償の保全のために、借主が家主に預けるお金です。
敷引 (しきびき)
契約終了時の家主からの補修に要する金額を予め想定して、損害金を返還すべき敷金・保証金から差し引くことを契約時に約束するという特約です。
権利金 (けんりきん)
本来、立地の良い店舗など借主が賃借できる権利を購入する場合の代金のことですが、一般の借家に関して、この性格は全くありませんので、実質「敷引」と同じに利用されています。
礼金 (れいきん)
本来、家主に対し、良い家を貸して下さってありがとうとの気持ちから家主に渡された謝礼のことですが今では、契約の募集から礼金10万円とか提示してあり、これも「敷引」と同じに扱われています。
更新料(こうしんりょう)
例えば、2年毎の更新となっている借家契約で、更新の際に、賃料1ヶ月分の更新料の支払いを定めているものがあります。
これは、賃料の一部前払いとして始まったものです。判例では、特約の一種で1ヶ月程度なら有効とされているものもあります。
原状回復義務 (げんじょうかいふくぎむ)
借主は、借りた時と同じ状態に戻して明け渡す義務を定めたもので、ほとんどの契約書に書かれています。
但し、判例では、通常の使用による損耗に関して原状回復義務はないとされています。
この点に関して、国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を出しています。
少額訴訟 (しょうがくそしょう)
1回の期日で審理を終えて判決をすることを原則とする特別な訴訟手続です。
連帯保証人(れんたいほしょうにん)
主債務者が債務の履行を延滞した場合、債務者に代わって全債務を支払う義務を負う人で、保証人と違い、先に債務者から返済を受けろとか他の保証人と按分して支払うなどの主張ができない保証人です。
実質は、“連帯保証人=債務者”
債権者は、債務者からでも連帯保証人からでも取りやすい方から債権を回収することができます。
代位弁済(だいいべんさい)
主債務者が債務の履行を延滞した場合、連帯保証人や保証会社などが債務者代わって債権者に弁済することです。
代位弁済した者は、その債権者の地位になり、債務者に本来の債権者が有していた権利(元本・利息・損害金を請求する権利、担保を実行する権利)を行使することができます。
利息制限法(りそくせいげんほう)
一定以上の利息・遅延損害金を取ってはいけないという法律で、利率の上限は、借入金10万円までは年20%・10万円を超え100万円までは年18%・100万円以上は年15%です。
自己破産(じこはさん)
借金が多く、収入から返済することが不可能な場合、地方裁判所で借金を0円にできる手続です。
破産決定がでますと、破産の事実が官報に掲載されます。簡易な破産で、財産が少ないがない場合の「同時廃止」と、破産管財人が付く「管財事件」があります。いずれも異議申出期間の定め、または債権者集会の日時が決められ、特に問題がなければ「免責」されます。
同時廃止(どうじはいし)
破産の処理手続きの名称で、財産がないか生命保険解約返戻予定額が20万円以下現預金5万円以下不動産を所有していない(但し、住宅の時価より住宅ローンの残債務の方が多いことが明らかな場合は不動産を所有してもよいが、必ず 競売になる。)の場合、破産管財人を付けず、破産申立の日に即日破産を終結する簡略な手続です。
管財事件(かんざいじけん)
破産の処理手続きの名称で、不動産などの財産がある場合に破産管財人が裁判所から選任され、破産者に保留される「自由財産」以外の財産を管理し換価して債権者に配当します。この場合、破産管財人の費用が必要です。
自由財産(じゆうざいさん)
破産者が債権者に配当しないで自らの財産として保留しておくことのできる財産のことです。特別な事情がない限り、その限度額は99万円です。
免責(めんせき)
破産申立人の借金の支払い義務を免除する裁判所の決定。破産申立をしても、借金の理由がギャンブルや遊興・浪費などであった場合、免責にならないことがあります。
個人再生(こじんさいせい)
借金は多いが、借金を5分の1~10分の1に減額すれば支払う能力がある方のために破産しないで生活を再建する手続です。また、破産の場合、自宅は必ず競売になりますが、住宅ローン特例によりローンをそのまま残すこともできます。給与所得のように収入が安定している方は、返済計画案が認められやすいようです。
任意整理(にんいせいり)
借入金に対する本来の返済方法では支払いが難しいが、36回程度の分割払いでしかも無利息であれば支払える方のために任意の和解により、分割払いとするなど裁判所の手続によらずにする解決方法です。
自力救済(じりききゅうさい)
法的手続きに依らず、商品を強引に持ち去り・相手方の意思に反して強硬な貸金取り立てや、家賃の不払いに対する鍵交換・別鍵設置・室内残置物の処分による強行明渡しなどのいわゆる自力救済は、法律で禁止されています。
判例では、家主が借家の鍵を勝手に取り替えたことが不法行為に該当するとしたもの(東京地判平成16年6月2日判決)が代表的です。
読売新聞2008年12月6日の記事を紹介します。
家賃を滞納すれば鍵を交換して閉め出す強引な追い出しに対し、大阪、兵庫両府県の入居者ら4人が12月5日、「暴力的言動で退去を迫られ、精神的苦痛を受けた」として、家賃保証会社などに1人当たり110万~140万円の損害賠償を求める訴訟を大阪簡裁に起こした。
遺留分減殺請求権(いりゅうぶんげんさいせいきゅうけん)
子・妻・夫が相続人の場合、遺言で定めていても相続分の一定割合を、遺贈を受けた者や分割方法を指定された他の相続人から取戻すことができる権利です。 これは相続財産を受け取れる期待権や財産分与相当分の確保のための制度です。
「ADR」 (えいでぃーあーる)
民事再生は、裁判所が関与する法的強制力のある手続きであるが、民活を利用する手段として、「産業活力再生特別措置法」に基づき、経済産業省の認定を受けて、債権者集会の決議を経て、第三者機関の監視のもとに、裁判所が関与しない民事再生手続きを「ADR事業」という。
現在、アイフルがこの認定を受け、再生に向けて手続中である。
この事業のメリットは、民事再生手続きで再建計画が行き詰まった場合、自動的に破産手続きに移行し、事業が破たんしていまうが、これを防止し、民活で再建する道が開かれたことである。
※登記手続き以外の相談業務は司法書士法第三条に定めるものに限ります。